第1のテーマ「生殖医療の限界」について

このテーマの討論は終了しており、生殖医療や生殖補助医療という名称で行われるいわゆる不妊治療についての調査と討論が行われた。折をみて資料と議論をまとめていきたい。
この討論の途中で、奇しくもある芸能人による代理母による出産表明(代理母代理出産は日本の産科婦人科学会のガイドラインでは認められていない)や、代理出産によって昨年米国でうまれた日本人の子供が出生届が受理されない事件など、さまざまな問題が起こっている。
こういった生殖補助医療について、何を是とし何を非とするか線引きが可能なのか、妥当なルールが設定できるのか、といったところが議論の中心となることが予想された。で、実際に私が参加したところでは議論がまとまらず両論併記の形で発表ということになった。
ちなみに、代理出産代理母を規制する法律は今のところなく、今後これらを禁止する方向で法律が作られる予定である。
この生殖医療の問題で議論が難しくなるのは、「生まれてくる子ども」の存在にある。単純に自己決定や愚行権、他者危害原則では「生まれてくる子どもがかわいそうだ」という批判に答えることが難しい。なにしろその当事者となる子どもは両親となるものの決定の段階では存在していないのだから。