課外ディスカッション

この「科学・技術と人間の倫理」という講義では、グループ単位での発表が3回あり、グループでの討議をまとめなければならない。このため、講義時間外での集まりが必要に応じて開かれる。11月29日と30日の両日、ディスカッションが行われた。それぞれ4時間程度実施されたが、私は30日のみ参加することができた(他の方も意外にスケジュールがつまっており、調整は難しい)。両日とも参加できた人は2名で、全員参加とはならなかった。
図書館にグループ学習室という場所があり、学生は自由に利用することができる。図書館が日曜日に開いているのも昔に比べると画期的だが、さらにディスカッションの場所があることもすばらしい。学習環境は格段に進歩している。
30日の討議では、一応テーマらしきものが浮かび上がってきたので、そこが議論の中心になった。それは「遺伝子診断(発症前)がどういう条件の下で認められるのか」というものである。
現時点での結論は、遺伝子診断は医療として行われるものであれば(そのメリットがあるため)認められるが、そうでないものは(優生思想につながるため)だめ。ただ、医療の中でもグレーゾーンがあるんじゃないか、というもの*1。また、大人が遺伝子診断を受けるのは自由だと思われるが、子供や退治に対する診断については議論を保留した。つまりここも議論のあるところである。
遺伝子治療については議論のテーマ設定にいまだ苦慮している。現状であれば他に方法がなくて最後の手段として利用されるので「止むを得ない」という立場をとるしかないが、一般化されて当たり前の治療になってしまえば「薬と同じで議論にならない」ということになる。これだと、たしかにテーマ設定ができない。
議論の過程で出てきたいくつかの疑問については、講義の日に先生に尋ねることにした。

*1:実は、2つの判断は異なる原理に基づいている。功利主義あるいはカント主義のどちらかで迫らなくてはならない。また、医療以外についての考察はまだ大雑把で、優生思想につながらない医療以外の適用領域があるのではないかという問いには答えていない。また、医療なら大丈夫なの?というのも十分な議論がされていない。