雪印食中毒事件

12月9日の授業は欠席したが、この日は第3のテーマ「雪印低脂肪乳食中毒事件」のショートレクチャーであった。
で、本日は図書館にてその打ち合わせ。
今までの課題と異なり、具体的な事件であることと先端的な技術領域ではないことが大きく異なる。そのせいか、「何をやったらいいの?」状態になっている。
この事件の経緯を調べてみたり、ディスカッションをやって見えてきたことは以下のとおり。

大樹工場で製造した脱脂粉乳に問題があったわけだが、実際に出荷するまでの間に何箇所も「踏みとどまる」チャンスがあったのに、それらが実行された様子はなかった。
特に工場全体を管理する工場長の判断の誤りは致命的だった。
停電の事実と脱脂粉乳の毒素との間の関係に会社がまったく気づいていなかったようだ。食品衛生の立場からは「気づかないなんて考えられない」ということらしいが、専門家としての知識もなく生産ラインが回ってしまうというのはなぜなのだろう。
社会に対する責任という観点が会社から欠落しているようであった。でもこれは雪印だけの問題だったのだろうか。また、会社が真剣に社会に対する責任を教育することは期待できるのだろうか。

おそらく、議論の方向性は以下のようになると思う。

  1. 工場長・社長(経営者)・現場としてどのような行動の選択肢があったか。
  2. 実際には、その選択肢がとられなかったのはなぜか。
  3. どうすれば、その選択肢はとられるようになるのか。
  4. 現場からの内部告発を行う必要があったのか、今回のケースで可能だったか?
  5. マニュアルによって事故拡大を防止することはできただろうか。
  6. 「倫理」が欠如していたから事故が拡大したのだろうか。倫理教育によって事故拡大を防止することができるだろうか。
  7. 食品衛生の基礎的な知識の欠如が原因のひとつだが、その知識があれば事故拡大を防ぐことはできただろうか。